この記事のざっくり
小六の子供のいる友人から相談を受けました。
「娘の算数のできなさがやばい。勉強の仕方がわからないんだと思うんだよね……」
その場では、「は? 勉強量が足りてねーだけだバーカ。つべこべ言わずに平日4時間勉強しろ」と優しく言いましたが、たしかに、何をすればいいかわからないのに量をこなせと言われても困るだろうな、と後から思いました。
というわけで、罪悪感をごまかすために、勉強が苦手な子に向けた私なりのアドバイスを書いてみました。五つあります。
1 問題を解こう
さて、いざ勉強しようと思っても、何をすればいいかわからないですよね。それで、とりあえず教科書を開いて読んでみる。しばらくすると眠くなってきて……。そんな経験はありませんか。もちろん教科書を読むことも、無意味ではありません。でも、数学の教科書を一時間読むよりも、同じ時間で問題集を解いたほうが、多くの場合効率的です。なぜなら、試験で問われるのは、教科書を読む力ではなく、問題を解く力だからです。すごくあたりまえのことを言っているようですが、伸び悩んでいる生徒の多くは、問題演習にあてている時間が十分ではありません。学校で配布された問題集でも、買ってきたものでも構わないのでやってみましょう。すると、できるところとできないところがはっきりします。できているところを学ぶ必要はないですね。できなかったところだけ、教科書を読めばよいのです。ほら、教科書を読む時間が半減したでしょう。
2 授業の受け方を見直そう
さて、学力の高い生徒とそうでない生徒では、授業の受け方が根本的に違います。授業は一日六時間もあるのですから、その学力への影響は、塾や自宅学習よりも大きいです。当然ながら。
ノート
まず、ノートがファック汚いことがよくあります。ノートはあとで見直すことで、授業を思い出すためのツールです。ですから、美術作品のように美しく仕上げる必要はないにしても、授業のポイントがわかるように整理したいものですね。これはもう、初めは成績のいい子の書き方をパクるしかないでしょう。今まで慣れた書き方を変えるのはちょっと苦労しますが、テメェのオリジナルなんてクソの役にも立たないので、頭を下げてノートを見せてもらいましょう。
最大限やろう
二つ目のポイントは、一生懸命やっているか、ということです。
全力で歌っているか。
全力で走っているか。
全力で発音しているか。
書くことだけに集中しているか。
授業は、手を抜こうと思えばいくらでも抜けます。みんなが英文を発音しているのに紛れて、黙ってやり過ごすこともできるでしょう。しかしそれでは成長は望めません。学力の高い生徒は、授業でも活躍が目立ちますね。これは、学力が高いから活躍できるというより、積極的にやるから学力が上がるのです。授業をサボるな、楽しみましょう。
3 しゃべって書こう。踊ってもいいよ!
さてさて、人間の脳は、多様な刺激を受けると、それをエピソード記憶として長期的に保存する性質があります。同じ情報を記憶するにしても、単に見て覚える、読んで覚えるだけでは、なかなか定着しません。ところが、声に出しながら同じ作業をすると、驚くほど記憶が持続します。書けばなおのこと。踊ってもいいですし、推しメンや推しキャラの写真を見て興奮しながら覚えるのもおすすめです。
とにかく単調にならないこと。部屋の空気を入れ替えるのもグッド。全身で勉強すれば、ストレスも減るし、記憶も活性化されますよ。
4 できるところまで戻って学ぼう
いよいよ勉強がわからなくなっている生徒は、そもそも九九や正負の数や、ローマ字やbe動詞でつまずいていることが少なくないのですが、これを救ってやるには周りの協力が必要です。というのも、こいつは学校の苦手とする分野なんですね。とても歯がゆいのですが。一番やっちゃいけないのが、今の授業についていこうとすることです。私は塾講師の経験もあるのですが、たびたび保護者から、「勉強が全然わかっていないみたいなので、なんとか授業についていけるようにしてください」と言われることがありました。そういうとき、依頼されるコースはその生徒の学年相当です。でも、生徒はそのはるか前の段階でつまずいているのです。これはたとえるなら乳児にユッケを食わせるようなもので、むしろ消化不良を起こしてマイナスになってしまうのですが、説明してもなかなか親御さんは理解されません。
子供がつまずいているところまで立ち戻って教えてくれる塾や家庭教師を見つけてやることが近道です。親が気付くのが早いほど、子供の立ち直りは早くなります。
5 反省しよう
学業に限ったことではありませんが、成長する人は反省する人です。基本はシンプルで、何が成功につながったか、失敗した原因は何かを考えて次に生かすということだけです。だけなのですが、これはもう習慣というか生き方なので、普段から自分の成果を反省するくせをつけていないと急にはできません。
伸び悩んでいる生徒の多くは、結果を検討する習慣がないので、効果が薄かった勉強方法をいつまでも続けてしまいがちです。いっぽう反省上手な生徒は、いろいろな勉強方法を試して、自分に合うものを残していくことで、最適な学習スタイルを見つけることができます。
繰り返しになりますが、反省はテクニックよりも習慣を身に付けることが大事です。幼い頃から、自分で課題を見つけて解決するトレーニングをするようにしましょう。
なんだか昔から思っていたことを書けてよかったという思いです。
もっと専門的なアドバイスもテクニックもたくさんあるのですが、いちばん基礎だなーと思うことを書きました。みなさんの(お子さんの)実情にマッチしていたでしょうか。
ご感想いただけるとうれしいです。