武力で解決する時代を終わらせたい Be over, the time settled by forces

あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

今年は、あれもこれもと欲張って詰め込まず、シンプルな記事を目指していこうと思います。そのぶん更新頻度を増やせたらいいな。





新年早々不穏なニュース

2020年1月2日(現地時間)、合衆国の国防総省は、イランのカセム・ソレイマニ司令官を殺害したと公表しました。

トランプ大統領は、「ソレイマニはアメリカの外交官や軍関係者に邪悪な攻撃を間も無く実行しようと計画していた」、「戦争を止めるためだ。始めるためではない」と述べ、この暗殺が自衛行為であると主張しています。

イランにおいて英雄的な人物の殺害に対し、政府および国民は激怒。最高指導者ハメネイ師は3日、国営放送にて「厳しい報復が待っている」と語りました。

Twitterでは「#WorldWarThree」をつけたコメントが飛び交い、株価にも大きな影響が出ています。





報復の連鎖ほど愚かなことはない

さて、これから世界情勢がどうなるとか、石油やドルがどうなるとか、そういうことを語りたいのではありません。私が言いたいのは、すごく単純なことです。

いつまで世界ってこのレベルなの?

私は教えているんですよ生徒に。悪口を言い合っても意味ない。盗まれたからといって盗んでいいわけじゃない。仕返しをしていたら争いは続く。どっちが先にやったかは問題じゃない。殺人も戦争も絶対にしてはいけない……と。

私だけではなく、教育者ならあたりまえに子供に伝えているでしょう。それなのに目の前の世界ときたら、やれ「戦争を止めるための殺人」だの、「厳しく報復する」だの、「イランが報復したらアメリカはイランの52か所を攻撃する」だの、「それならこっちは300か所攻撃する」だの……

あほなのか!?
ハムラビ法典の時代から進んでねーじゃねーか!





作戦は正当防衛と言えるのか

今回のソレイマニ司令官殺害について、トランプ大統領は「アメリカの外交官や軍関係者に邪悪な攻撃を間も無く実行しようと計画していた」ためだとし、正当性を訴えています。

2019年末、イラクの米軍施設や米大使館は、ソレイマニ司令官が支援する武装組織から複数回の攻撃を受けていました。たしかに国民の命がおびやかされている状況です。

でも、逃げるわけにはいかなかったのでしょうか。相手に攻撃を止めさせる手段は、ほかになかったのでしょうか。甘い考えかもしれませんが、「殺す以外になかった」と私には思えません。民主党議員もこの点で大統領を追及していますが、トランプ大統領は、危機がどの程度差し迫っていたかについて明らかにしていません。

今回の武力行使を正当防衛と言い切るのは難しいでしょう。





武器を捨てる勇気をもとう

誰だってテロは怖いです。
人々の脳裏には、今も9.11の悲劇が焼き付いています。
襲われるかもしれないと思ったら、怖くて先に引き金を引いてしまうのが人の心理というものです。その気持ちはよくわかります。

でも、その結果、人類は互いに武器を持ち、多くの戦争と迫害を繰り返してきました。先制攻撃で守られた平和などありませんでした。

もうやめにしましょう。
私たちは、勇気をもって武器を捨て、話し合いを求めていかなければ。







武力行使を支持しない!

私たちにできるもっとも単純で大きなことは、武力行使を支持しないことです。

今回のトランプ大統領の行動には、11月の大統領選挙に向けて、テロに対する強気な姿勢を国内に見せたいという思惑があります。言い換えれば、今回のようなテロ掃討作戦を支持する国民の意識が、彼に引き金を引かせているということです。

「テロリストは殺してもいい」
「アメリカ国民の命と財産を守るためだから仕方ない」
「戦争になれば、アメリカの若者の血が流れる」

冗談じゃない。血は誰にでも流れているというのに。


私たちは今、ひとりひとりが世界に向けて声を発信することのできる時代に生きています。だったら、私には黙っていることなんてできません。子供に胸を張って、平和や命の尊さを伝えたい。平和のための暴力なんて欺瞞には、いつだってNOを掲げてやります。

さっさと進歩しようぜ。人類。