小学生のときから思っていて、教師になってもやっぱり不満に思っていることをぶっちゃけますね。
読書感想文と自由研究って、何やればいいか全然わからなくね?
この記事のざっくり
読書感想文てなんだよ!?
小学生の夏休みに、読書感想文を書くという宿題が出ました。本は好きなほうだったので、書こうと思う本はすぐに決まりました。しかしいざ感想文を書こうと筆をとって気付いたのです。書き方がわからん……
というか書き方はおろか、読書感想文というもの自体を見たことがなかったのです。「見たこともない、作り方もわからないものを作れ」という課題に、私は途方に暮れてしまいました。
さて私も成長して、国語教師の視点からとらえなおしてみても、やっぱり十分な指導もなしに読書感想文を書かせるのは無茶だと思っています。
というのも、小学生が書く原稿の多くは「生活記録文」という種類で、ようは自分の体験を他者に伝えるものです。それに対し、読書感想文は、①本の内容、②本の価値、③自分との関わり、の三点を書くことが求められる文章で、まったく書き方が違います。子供たちが普段読んでいる物語や説明的文章と構成も異なります。それをしかも授業でなく宿題として課すならば、事前の指導がかなり必要です。
そう考えると、途方に暮れているのは生徒だけではないかもしれませんね。教える側の先生だって、「教え方を教えてほしいっつーの」と思っているのではないでしょうか。作文の指導には、めちゃめちゃ高度な技術が必要ですが、基本的に教えてくれる人はいません。国語だけ専門的に研究できる中学校教師と違って、小学校の先生が専門的指導力を身に付けるのはマジで大変です。
自由すぎて辛いんじゃ
もうひとつ、全国の子供と家族が頭を悩ませているのが、自由研究ではないでしょうか。まず自由研究の定義というか、範囲がわからない。工作でもいいの? 私の母校ではとくになんのガイダンスもなかったので、本当になにもわかりませんでした。両親に相談すると、「夏休みの自由研究BOOK」を買い与えてくれたので、それを参考に紙粘土で恐竜を作ったり、発行塗料を混ぜたろうそくで花火を描いたりしていました。
評価基準も謎でした。夏休み直後に自由研究の展覧会が開かれたのです。私の恐竜の隣に、潰れたカエルのような恐竜が展示してあったのですが、こちらのほうがニスが塗りたくってあって光っていたので、クラスメイトからの評価は高く、私の恐竜は蔑まれました。私は「ぜってー俺の方がリアルだし」と叫んでいました。レポートをまとめた子もいましたが、見栄えがしないので誰も見ていませんでした。
とにかくこの自由研究は、やり方不明、評価基準不明、がんばったわりに全然評価されないというトラウマを生みがちです。こんなの私の母校だけか?と思いましたが、同じような話はリアルからもネットからも、妖怪漫画のあとがきからも聞こえてきます。
夏休みの思い出 pic.twitter.com/EQQFGACcI0— 押切蓮介 (@rereibara) June 23, 2017
テーマを自分で見つけて研究するという課題はとてもすばらしいと思います。課題発見・問題解決の力が求められる昨今、より現代的な宿題であるといえるでしょう。これからの自由研究を充実させるためには(へんなトラウマ製造機にしないためにも)、
- 課題の説明
- 評価基準の説明
- 進め方の指導
を中心に、丁寧な指導をしていきたいですね。